第11回「申請の“期限”と“タイミング”を見極める!」

こんにちは。株式会社 FitStat APACの庄司真由美です。
「補助金や助成金って、これから減るの?それとも増えるの?」
そんな声を多くの経営者の方から聞くようになりました。
確かに、世の中の情勢が変わる中で、国の支援制度も見直されているのが現実です。
この記事では、法人が利用できる補助金について、なるべくわかりやすく解説します。
募集開始を逃さない!情報の「アンテナ」を張る

企業向け補助金の多くは、募集期間(公募期間)が限られています。特に人気の高い補助金は、募集開始と同時に準備を始めないと間に合いません。
ベストな開始時期は「予算案が発表される時期」
補助金の原資は国の予算です。ほとんどの補助金は、毎年3月頃に公表される「経済産業省や中小企業庁の予算案」に基づいて、年度の途中で公募が始まります。

1.種まき:公募開始の1~3ヶ月前

「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」といった主要な補助金の昨年度の実施時期をチェックし、「今年はいつ頃公募が始まるか」を予測します。

2.根回し:申請に必要な「時間のかかる準備」を済ませる

多くの補助金で必須となる「GビズIDプライムアカウント」の取得は、申請から発行まで数週間かかる場合があります。公募が始まる前に必ず済ませておきましょう。
設備投資やITシステム導入が目的の場合は、「業者からの見積もり」や「導入計画」を先に固めておくことで、公募開始後のスタートダッシュが可能になります。
採択を勝ち取る「逆算の計画」を立てる
補助金の申請は、単に書類を出すことではありません。「事業計画書」の完成度が採択(合格)のカギを握ります。
締め切り日を「締め切りの3週間前」に設定する

申請プロセスは、締め切り日から逆算してスケジュールを立てるのが鉄則です。特に「事業計画書」の作成には、経営課題の分析や市場調査など、最も時間がかかります。

ステップ 期限から逆算した目安のタイミング 重要なポイント
計画書作成・構想練り 募集開始と同時~締め切り3週間前 補助金の趣旨(目的)と自社の計画が合致しているか徹底確認。
申請システムの準備・GビズID取得 募集開始前 アカウント発行に時間がかかるため、最優先で完了させる。
必要書類の取得・添付 締め切り2週間前まで 決算書、納税証明書など、発行に時間がかかる書類から先に手配。
最終チェック・申請 締め切り1週間前まで 提出前に専門家や顧問にダブルチェックしてもらい、不備をなくす。

「申請は締め切り1週間前までに完了する」という目標を設定することで、万が一システムエラーや書類不備があっても、修正して再提出する余裕が生まれます。ギリギリの提出は、不備修正の時間がなく、不採択(不合格)のリスクを高めるだけです。
🚨 知っておきたい!補助金と助成金の「決定的な違い」
企業が活用できる支援制度には、「補助金」と「助成金」があり、申請のタイミングや難易度が大きく異なります。

種類 特徴 申請のタイミング
補助金 競争あり(審査で合否が決まる)。主に新規事業・設備投資向け。予算や公募期間が限定的。 事業実施・設備購入の「前」に申請し、採択(合格)される必要がある。
助成金 要件を満たせば原則受給できる。主に雇用・人材育成・職場環境改善向け。通年で受け付けるものが多い。 取り組みの実施「後」に申請し、費用が戻ってくる(ただし、実施前に計画届の提出が必要な場合が多い)。

補助金は「採択ありき」で、計画的に準備しなければ間に合いません。一方、助成金は比較的通年で受け付けられていますが、「計画を立ててから実行するという事前準備のルールを守る必要があります。

まとめ:補助金は「未来への投資」の羅針盤!

補助金は、資金繰りの支援だけでなく、**「自社がこれから何をすべきか」**という未来の計画を明確にするための良い機会にもなります。
「うちは採択されないだろう」と諦めるのではなく、まずは「どの補助金が自社の計画に合うか」を見極めること。そして、募集開始のずっと前から「逆算」をするのが、採択を得る為の戦略になります。

【プロフィール】
株式会社 FitStat APAC  庄司真由美
金融業界で25年間の経験を持ち、銀行・保険・証券会社にて支店での顧客応から本社での代理店営業まで幅広く担当。
「お客様目線のサービス」を信念に、常に顧客満足を追求。
コロナ禍をきっかけに「自分にとって本当に価値のある働き方」を見直し、
お客様からの「ありがとう」を一つでも多く頂くことを目標 に現職で事業部を立ち上げ。補助金・助成金を必要な人に届けること使命とし、日々精力的に取り組んでいる。

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