《和文化》江戸の船遊び

こんにちは!笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

先々週は、神楽坂女子倶楽部主催「大人女子のための屋形船」ツアーにご参加下さいました皆様、ありがとうございました。

乗船直前の土砂降りに、どうなることかと思いましたが、さすが皆さま、持ってらっしゃいますね、、強運を!!

まずは相川沙羅さんの深~い洞察力に基づいた筆跡鑑定のレクチャーからスタート。
「もっともっと聞きたい!」と皆さまからの質問もひっきりなしでした。
船は今話題の新しい豊洲市場やレインボーブリッジを巡り、美味しい鉄板焼きに夜景を堪能しながら、端唄や長唄を少々アレンジした笛の演奏をお聴きいただきました。

果たして、江戸情緒を味わっていただけましたかどうか・・・

その昔はもちろんレインボーブリッジもなく、キラキラした夜景だってなかったはずです。
大名が遊んだ金ピカの屋形船などもあったようですが、いずれにせよ、夜の船内はかなり薄暗かったはずです。そんな場でイメージしてしまうのは、時代劇でよくある、密談!
「お代官様、、そこのところ何とかよろしく・・・」なんて、越後屋がお酒を注ぎ・・実際、商談なども行われていたようです。

船遊び自体は、日本書紀にも記されている古くからのお遊びです。
平安時代には貴族のお遊びとして盛んになったようですが、江戸時代に「派手なお遊びはいけません!」と幕府からお達しが出て、17世紀後半以降段々質素になっていったようです。
近代になると河川工事や排水による汚染などで屋形船の運行ができない状況が長く続いていました。
近年は河川も綺麗になってきて、今回も11月で冬場だというのに多くの屋形船が出ていてかなり盛況でした。12月は忘年会などで使われることも多そうです。

屋形船の船内はほとんどお座敷になっていて、お酒が入る宴会となると・・・
芸者さん(今風に言うとシンガーソングライターであり、ダンサー)を呼んでお座敷芸ですよね!
ギターならぬ、三味線をつま弾きながら今どきの色恋や風情を唄うのが、端唄とか小唄です。三味線と唄が別々の方だったり、笛や太鼓を入れるともっと賑やかになって、踊りも入ると言うことなしです。
音曲(音楽)だけでなく、ちょっとした曲芸やマジック、噺家さんに落語を一席入れていただいて笑いで盛り上がる、というのも江戸情緒を感じられる楽しい宴席です。

端唄や小唄というと、日本の伝統芸能の中でも遊び感覚のある、余興的な感じがありますが、そのアバウトさ、即興性が最大の魅力かもしれません。
肩の力を抜いて、間違えても笑い飛ばし、替え歌にしてしまったり、突然のリクエストや即興など、そんなお遊びから、かつての文化人やビジネスマンは本物を学び、ビジネスヒントを得て、日頃のストレスを解消されていたに違いありません。

仕事で活躍されているHanako世代としては、そう頻繁に屋形船に乗るわけにはいきませんし、江戸風情を楽しむと言っても・・・と思われるでしょう。

ちょっと落語を見るとか、和楽器や玉すだれなどの演芸を楽しめる機会は探すとあちこちにあります。
手っ取り早く、NHKのEテレやラジオでも和の音楽や落語、講談などを楽しむことができますし、東京都内、その周辺では各市区の郷土史料館・博物館、例えば江戸川区の新川さくら館、などで生の芸能を楽しめる機会があります。
これからの季節ですと、酉の市、年末年始に催し物があると思います。
酉の市などで神社に行かれましたら耳を傾けてみてください。お囃子が鳴っていたり(よく商店街でも流れていたりします)、生の演奏を見れることもあります。

もう少しじっくり和に浸りたい方には、着物を着て歌舞伎や日本舞踊、能などにぜひお出かけいただきたいなと思います。
気分転換にもなりますし、いろんな刺激を受けられます。
意外と身近にある和文化、江戸情緒を感じられる「非日常の場」でビジネスを離れて「自分らしさを取り戻すキッカケ」にしていただければ嬉しいです。

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

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