Vol.55 50代女性が知って得する睡眠情報:睡眠と免疫の関係

おはようございます。

人生、上手に寝たもん勝ち!2分間コラム。
さて、今年は、50代女性がこの先の50年も輝くための睡眠というテーマでお届けしていきます☆

今回は、今世界は新型コロナウイルスの話題でしめられています。私たち一人ひとりが考えること、取り組むことは情報の受け止め方から行動管理、そのほかにも様々あります。
その中でも、「日々の体調管理」は国の制度云々ではなく自己管理の範疇です。
そこで今回は、『睡眠と免疫の関係の一部分』を取り上げてみようと思います。

こんなデータがあります。
ショートスリーパーではない人が、5時間未満の睡眠では風邪の罹患率(かかりやすさ)は通常時に比べて4.5倍高くなるという報告があります。
簡単に言えば、寝ないと抵抗力・免疫力低下しますよ!ということ。

『今の自分の持つ免疫能力を維持しよう!』
『きちんと発揮できるようにしよう!』
そのために睡眠をきちんととることを考えて欲しいのです。

免疫力ってそもそも何?
一言で簡単に言ってしまえば、「異物から体を守る仕組み」です。
今回ここでは、免疫の仕組みについては説明いたしません。2分間では語れない!知りたい方は別途お勉強してください(笑)

実は、免疫力は低すぎても高すぎても困りものです。
簡単な例でいうと、免疫力が落ちていると上記の様に風邪にかかりやすくなったり、症状が長引いたりします。ウイルスや菌といった異物を排除しきれないできない結果ですね。
一方高すぎて困る場合もあります。例えばある種の抗がん剤治療時は、感染症のリスクがあることを承知で免疫の働きをあえて抑制する必要があります。例えば花粉症。通常は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤で、免疫細胞が出した痒みや鼻水を引き起こす物質に対抗する手段を講じます。この段階では免疫システムは働いたままです。でも、どうしても症状がひどい場合は、ステロイド剤などの力を借りて、炎症をさらに抑制したり、免疫力を少し低下させたりするわけです。そう、免疫細胞の活動自体を少し落としているのです。

高すぎる場合については、基準の線引きは難しいですし、ある意味特殊状況かもしれません。
しかし、せっかく持っている免疫能力を低下させて、感染症にかかるのはもったいない!
予防することも、いざ罹った時に対抗できる力を発揮するのも、健康管理です。
そのために睡眠はとっても大切なのです。

では、少しだけ睡眠の免疫の関係が分かる例をご紹介します。

例えば、風邪をひいて、熱が出たり眠くなったりしたことがあると思います。
タップリ寝たら治った!実感されていると思います。

免疫細胞が出すサイトカイン(情報を伝達するタンパク質)には様々な種類がありますが、睡眠に影響を及ぼすものが沢山あります。睡眠を「誘導」するもの、睡眠を「阻害」するもの。まだ、免疫と睡眠の作用ルートについては解明されていない部分も多いのですが、
例えばインフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスと戦う免疫細胞(白血球)から放出されたインターフェロンやインターロイキンといったサイトカインの一部は、発熱の他に、ノンレム睡眠(深い睡眠)を引き起こします。

そう、自らの細胞が眠気成分を出して、「ムリして仕事なんかしている場合じゃないよ!体の緊急事態だよ!早く寝かせて!回復させて!余計なことに体力消費している場合じゃないの!」と言っているのではないでしょうか?

こんな報告もあります。
男女19人にとあるウイルスのワクチンを接種させました。そのウイルスに対するできた抗体の生産量を測定したところ、
摂取した夜きちんと寝た人は(約半数)、その晩徹夜した人(約半数)に比べて4週間後の抗体量が約2倍多かったというデータがあります。

せっかくワクチン接種しても、寝ないときちんと抗体を作れないという例です。

さらにこんな報告もあります。
これは大学生で行ったアンケート結果なので、50代のカグジョ世代とは「時間」については少しだけ違う結果が出るかもしれませんが、「傾向」は同様と考えられます。

年間で風邪をひく回数
0回378名 1回807名、2回1960名、3回679名、4回216名、5回以上352名
この5回以上風邪をひくと答えた人たちの平均睡眠時間は、0回の人たちに比べて10数分間分短い傾向にありました。
たった10分?!実はこれが平均値マジック。平均値より注目すべきは別のところにあります。「6時間以下」の短い睡眠時間の者、「10時間以上」の長い睡眠時間の者が、5回以上風邪をひく群は0回に比べて多かったのです。
そう、寝ないのもダメ!寝すぎもダメ!という結果です。
※何故、長時間がダメなのか?という理由についてはまだ解明されていませんが、生活習慣を含めた理由が推測されています。
50代の貴女にとって、今一番必要な睡眠時間はどのくらい?一度考えてみてください。

上記と合わせてこんなことも免疫力UPには関わります。
実は腸内環境を整えることも大切です。
しかし、コロナ騒動で慌てていくら乳酸菌入りヨーグルトを食べたとしても、睡眠がダメダメでは、胃腸の状態は整いません!
例えば、長期の寝不足と便秘は密接に関係しています。腸の動きが鈍る。腸内の悪玉菌の増殖が起こる場合も。

いくら体に良いと言われるものを食べ物やサプリで接種したとしても、睡眠や運動、そもそもの生活リズムがベースになることを忘れないでくださいね。

しっかり眠ってウイルスや細菌と戦える免疫の力・戦いを乗り越える己の体力を維持しよう!

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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