Vol.27 睡眠と高齢者

おはようございます。
人生、丈夫に寝たもん勝ち!2分間コラム。今回は、「高齢になる前に知っておいてほしいことと睡眠」のお話です。

日本の保険制度的には、65歳から74歳までが前期高齢者。75歳からが後期高齢者です。私もガクジョ読者の貴女も、そう遠くない未来には高齢者です。

そこで今回は、高齢者になる前に予備知識&対策として知っておいてほしい「今の」高齢者の現状と、「今の」私たちが準備しておくことをお伝えしたいと思います。

なぜならば・・・55歳ぐらいを境に、睡眠の良不良など、睡眠状態の「個人差」がどんどん開いていくのです!
対策は早いに越したことはないのですね。

先ずは今の日本の高齢者の現状について。

1)日本では成人の5人に1人、高齢者の3人に1人が、睡眠に悩みを抱えています。
もはや社会問題レベル!
私は薬剤師でもあるので、高齢者方々の睡眠薬の使用率や使い方について非常に疑問と危機感を持っています。その話は語りだすと止まらないのでまた別の機会に。

2)高齢者において、睡眠状態の良好な群と不良な群を比べた場合にこんなに差が出ます。

  1. 主観的健康度は、良好群約80%に対し、不良群では約40%です!
    私は元気!健康と感じている人は倍近く差がつくのです。
  2. メンタルにも大きな違いが出ます。情緒適応性(いわゆる周囲の人との協調性)は、これを得点化したときにスコアに約20%も差が出ます。
    誰もが死ぬまで社会の一員。協調性はある程度必要な能力です。いずれ介護される時が来るかもしれないなど自分と周囲との関係について考えると、生き易さに関わってくるのではないかとも感じます。
  3. 日常の動作についても、得点化するとそのスコアは約10%程度差が開きます。
    ヒトも生き物です。加齢とともにその身体能力は衰えていくのは当たり前。でも睡眠の状態が悪いとより低下傾向が加速してしまうかもしれない・・・ということです。
  4. 更に、中途覚醒の長さは、良好群と不良群で約60分も差があります。
    夜中トイレで起きてしまったとしても、再度すぐに眠れるかどうかが重要なポイントです。

では、睡眠の良好な高齢者の方と不良な高齢者の方の起きている間の生活でいったい何が違うのでしょうか?

先ずは睡眠状態が不良な方に多い傾向は、
①日中の居眠りが多い。長い。
②活動量が少ない。
③メリハリのない生活。
④外とのつながりがない。
⑤生活に満足度が少ない。

では、良好な方に多い傾向は、
①昼寝を30分程度する。
②夕方の散歩や、軽い運動習慣がある。
③ワクワクしたり、笑ったり、心が動くことをしている。
④社会(他人)と関係を持っている。
⑤食欲もある。

などの特徴があります。
体も心も動くことが大事だと気づかされます。

良好な睡眠状態で、心も体も元気に老後を迎えるために、今から準備しておいて欲しい事。
☆外に出て、必要最低限は日光を浴びること。
☆趣味や楽しみを今から見つけておくこと。
☆活動することをおっくうがらないこと。(※休む時はしっかり休む!)
☆夕寝はやめて、体内リズムを整えること。
☆10歳で睡眠時間は30分短くなるといわれます。若いころと比べない。
長ければよいってものではなくなります。今の自分に丁度良いかどうかを感じ取る感覚を養うこと。

いざ高齢者になってから改善しようとしても中々難しくなることも出てきます。
今から少しだけ心構えと、できる範囲の準備をして、あとは毎日を適度に気楽に楽しくハッピーに過ごす!!
ここに書いたことだけが全てではありませんが、睡眠で大きく悩む必要のない老後を迎えるための参考にしてみてください。

それでは、今夜も良い眠りを・・・「人生、上手に寝たもん勝ち!」

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)

埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。

新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

 

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