《マネー》第19回「保険の組み立て方講座~必要保障額/って何?~」

しばしお休みを頂戴しておりまして申し訳ございません。3月末に椎間板ヘルニアを発症、暫く車椅子生活を送っておりました。凹む。凹みますよ、かなり。完全復活とまではいきませんが、今はどうにかこうにか歩けるようにはなりました。丁度5月に入ることですし、コラムもまたつらつらと書き連ねていきたいと思いますので、改めて宜しくお願いいたします。

さて、前回まで社会保障制度について書いてまいりました。それぞれのリスクに対応する社会保障制度があり、実は今既に支払っている社会保険料から家族構成や納付済み期間に応じて各種年金を受け取ることができたり、医療費の大幅な控除を受けることができたりする。ここを押さえておくと、保険の無駄掛けを防ぐことができる。そんなお話でした。

では、これを踏まえて。

「そもそも私が働けなくなったら、何にいくらお金がかかるのだろう?」「がんになったら入院費とかどれくらいかかるのだろう?」「夫がなくなってしまったら月いくらくらいで生活していくのだろう?」

保険を考える時に算出しなければならないもう一つの金額、これが「必要保障額」です。特に死亡、就労不能、病気やケガといったリスクについて実際にかかるであろうお金をシミュレーションによって算出し、そこから各リスクに応じて支払われる年金や高額療養費制度による控除を差っ引きます。その残ったお金、つまりは自助努力でリスクヘッジしなければならない金額の事を「必要保障額」というのです。簡単な式にするとこうです。

(各リスクにかかるお金)-(国が出してくれるお金)=「必要保障額」

例えば死亡時。住宅ローンは団信に加入していれば保険金で一括返済出来ます。しかし就労不能になった場合だと、団信がシンプルな死亡時のみを保障するものであれば、どうにかこうにかして払い続けていくしかありません。ですから、住宅ローンは死亡時には必要保障額から差っ引かれますが、就労不能の時には加算されます。一般的に就労不能の時の方が、死亡時より必要保障額は高くなります。ただ、住宅ローンを払えるだけの貯蓄があって、いざという時にそれを使ってもよいのであれば、就労不能時でも住宅ローンは必要保障額から差っ引かれることになりますが、貯蓄を大きく取り崩すために生活費や学費などの面にしわ寄せが来る可能性を考えねばなりません。

このように、それぞれのシチュエーションでキャッシュフローとストックのバランスがどうなるのかを計算し、必要保障額を算出して初めて、「さぁ、どうやって守るかな」を検討するのです。次回はあるご家族を1つ例にとって、具体的な算出過程をご覧いれたいと思います。皆さん、腰は大切にね!

水原 曜(みずはら ひかる)

2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。

 

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