《健康》エゴレジと「秋バテ」対策

ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

猛暑に見舞われたこの夏、体力低下や食欲不振など、夏バテ症状に悩んだ人も多いかもしれません。ところが、涼しくなってもなかなか体調が戻らない、それどころか、夏よりもひどくなっている―この時期、そんな体調不良を訴える人が増え始めると言います。
初秋にも夏バテのような不調が起こる「秋バテ」という現象があることをご存知ですか?聞きなれない現象かもしれませんが、実は秋に心身の不調を感じる方は意外にも多いようです。

🔴夏から秋の3つの”バテ”

目黒西口クリニック院長の南雲久美子先生によると、夏から秋にかけて起きるバテは、大きく3つに分けられるそうです。

第一は、夏の早い時期に起こる夏バテだ。暑くなり始める5~6月あたりから、食欲が落ちたり、動くのが億劫になったりするもので、特に虚弱体質の人に起こりやすいようです。

夏真っ盛りに起こる第二の夏バテは、俗にいう冷房病を指します。炎天下の屋外と、冷房で冷えきった屋内という極端な温度差のある場所を行き来するうちに、自律神経が不調を来たし、体の調節機能がおかしくなってくるのです。暑さをしのごうとして冷たいものを飲食するうちに、胃腸も弱ってしまいます。

そして、残暑が落ち着く9月後半~11月に出るのが第三のバテ、秋バテです。これは「夏バテ後遺症」とも言えるもので、「3つのバテの中で最もタチが悪い」と南雲先生は指摘されています。体力に自信がある人が夏に夜遊び、暴飲暴食、アクティブなレジャーなどで体に負担をかけ、薄着のままで1日過ごして胃腸の疲れや冷えを招き、無理が蓄積されて秋に症状が出る。体が丈夫なだけに、夏を乗り越えてしまい、溜まりに溜まった疲れが秋に出てくるというわけです。

秋バテには、気圧の変化も影響しているそうです。秋に台風や低気圧が近づくと、空気中の酸素濃度は薄くなる。夏の疲れを引きずっている上に、気圧差が大きいと体がだるくなり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。無理をした期間が長いだけに、夏バテよりさらに厄介な状態になるようです。

🔴”秋バテ”のセルフチェック

秋バテを調べるための症状をセルフチェック式でリストアップします。

  • 食欲がない
  • 胃がもたれた感じがする
  • 疲れやすい
  • 体がだるい
  • 立ちくらみがある
  • めまいがある
  • 頭がボーっとする、頭が重たい、頭が痛い
  • なかなか寝られない
  • 朝が起きられない
  • 肩こりがひどい

上記の症状が1~2週間以上続く時に、

…2個あれば、秋バテかも?
…3~4個で秋バテの可能性が高い
…5個以上あれば秋バテですので、早めの対策が必要です。

🔴秋バテ対策

秋バテの対策は、何より自律神経のバランスを整えることになります。

◆食事 バランスの良い食事を1日3食で規則正しく摂ることです。できるだけ冷たい物を避け、温かい物を食べたり飲んだりします。食事中はゆっくりよく噛み、胃腸の状態を整えることが大切です。
秋が旬のもの 秋の味覚には秋バテを解消させる栄養分が豊富なものが多いのです。たとえば、「」には美白作用だけでなく体をあたためてくれてストレスの解消もしてくれるビタミンCや、疲労回復と血行促進に役立つビタミンB1が豊富です。「さつまいも」にも栗と同じビタミンCやB1に加え、腸を整えてくれる食物繊維も豊富。また、さつまいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れません。

「体を温める食材」 たとえば、地中で育つ根菜類(にんじんやレンコン、しょうがなど)には体を温める作用でよく知られています。お味噌汁としていただいたり、天ぷらにしたり、チップスにしておいしくお菓子としていただいたりと、こちらも調理方法が豊富なので飽きずに実践できそうです。

温度差対策 入浴が重要です。シャワーだけではなく38~40度の湯船にゆっくり浸かりましょう。冷房などで冷えた体を温め、体力や胃腸の働きの回復を手伝います。身体が冷えることで秋バテになりますし、眠りをよくするためにも37~39℃程度のお湯で身体を温めましょう。半身浴でも全身浴でも、腹部をきちんと温めるようにしましょう。炭酸ガス入りの入浴剤を使えば、38~40℃のぬるめのお湯でも末梢の血管が拡張し血流がよくなります。

体温調節 環境温度を整えるためには、無理をせず衣服などで調節しましょう。そして、運動が肝要です。短時間でも毎日適度の運動を続けることで、自律神経の機能が回復します。発汗機能を高め、身体の血行を良くすることで、肩こりの原因になる乳酸などの疲労物質を代謝させることができます。ウォーキングなどの有酸素運動は、血流を良くし疲労物質の排出を促すため、疲労回復に効果的です。無理のない範囲で自分の好きな運動を取り入れれば続きするでしょう。

◆睡眠 睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、症状が悪化していきます。睡眠には心身の疲労を回復させる働きがあります。夜更かしせず、十分な睡眠をとり、翌日に疲れを持ちこさないようにしましょう。初秋の時期はまだ夜の寝苦しさがあるかもしれませんが、なるべく冷房はつけずに就寝してみましょう。こうすることで、寝ている時の冷房冷えを防止することが可能になります。なるべくなら長袖ロングパンツのパジャマもあると良いでしょう。

秋口に感じがちな心身の不調「秋バテ」の予防・対策方法をご紹介しました。冷え対策を重点的に行うことで、秋口から冬場にかけて蔓延しがちな風邪やインフルエンザにも負けない強い体づくりも可能になります。快適な秋冬シーズンを迎えるためにも、秋バテ対策をぜひ実践してみませんか?

季節の変わり目は、ストレスや疲れが溜まりやすくなる方が少なくありません。この時期に頑張りすぎるのはNG。いつも頑張っている自分をいたわり、無理をしないでゆったり過ごしましょう。エゴレジを発揮して、バテ対策で心身の健康を維持したいものです。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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