《健康》エゴレジと「6月病」対策

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

エゴレジと「6月病」対策

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。

エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴梅雨も関係する「6月病」  

新しい仕事や環境に適応しようと緊張の連続だった4月の1ヵ月が過ぎ、5月の連休が明けた頃、張りつめていた心の糸がプツリと切れたかのように無気力になってしまう――従来は、これを5月病と呼んでいました。しかし最近は、5月より6月にこうした状態に陥る人が増えています。「6月病」と呼ばれるゆえんです。ゴールデンウイークが明けても疲れをスッキリ解消できないままに働いている」人が非常に多いようです。春先からの「隠れ疲労」が、6月以降に徐々に顕在化して夏ごろに本格的な不調を訴え出す人も増えているそうです。

心がどんよりしてしまうのは、ジメジメした6月のお天気も無関係ではありません。梅雨は気圧が低く、不安定になり、日照時間が減ることで、自律神経に悪い影響を及ぼすといわれています。そのため、主婦の場合も似たような症状があり、「家事6月病」と呼ばれたりするようです。

🔴6月病の症状

6月病は、新しい環境などにエネルギーを使いすぎて疲れが溜まってきているところに、気候の変化や寒暖の差も加わって、気持や身体に不調をきたしている状態です。真面目で几帳面な性格の人が多いという共通点も指摘されています。「……すべき」が口癖だったり、完璧主義だったり、先回りして取り越し苦労をしたり、少しのミスでも自信を失ったり……。まじめで頑張り屋の人がかかりやすいのです。

あてはまる項目が2~4個なら6月病予備軍、5~7個なら6月病がかなり疑われます。

🔴予防は「幸せホルモン」

「6月病」の予防策の第一はエゴレジ力のアップです。そして「セロトニン」が1つのポイントになります。「セロトニン」は、必須アミノ酸トリプトファンから作られ、「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」と並ぶ「三大神経伝達物質」の一つです。喜びや快楽を司るドーパミンや不安や恐怖・興奮を司るノルアドレナリンの働きをコントロールして、気持ちや感情をコントロールする働きがあります。精神を安定させ幸せを感じやすくするため、「幸せホルモン」とも呼ばれているのです。睡眠周期を整えるほか、不安を取り去ってストレスに強くし、精神を安定させてくれる働きがあります。またセロトニン分泌量減少の原因の一つに、慢性的な運動不足があるといわれています。

そこで、誰にもかかる可能性のある6月病を予防するための対策をあげてみました。

(1)十分な睡眠

セロトニンを増やすには、睡眠時間をしっかり確保して、朝は太陽の光を浴びましょう。朝起きて太陽の光を浴びると、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌がストップし、幸せホルモンセロトニンの分泌が始まります。そのまま日中はセロトニンが分泌されやすく、日が沈んでからは分泌が少なくなり、逆に睡眠を促すメラトニンの分泌が増えてくるのです。

 (2)たんぱく質の摂取

セロトニンは、食べ物からしか摂ることのできない必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」からつくられます。

必須アミノ酸をすべて含む20種のアミノ酸でできている「たんぱく質」たっぷりの食事を心がけましょう。

たんぱく質には、疲労回復の効果もあるので、魚・肉・乳製品などの良質なたんぱく質食品を積極的に摂るようにしましょう。肉などカロリーオーバーの心配があるときは、プロテイン・ペプチド・アミノ酸などのたんぱく質からできたサプリメントを取り入れるのも良いでしょう。

(3)リズミカルな運動

セロトニン活性化には、ジョギングやウォーキングなど、一定のリズムを繰り返して行う運動は、脳を刺激して、セロトニンの分泌を促すセロトニン神経を活性化する作用があると言われています。

 (4)意識的にONOFFの切り替え

意識的にON/OFFの切り替えをし、帰宅後や休日は、気持ちよく集中できることを探しましょう。好きなこと(入浴、ビデオ鑑賞や読書)をしたり、好きな音楽を聴いたり、好きな料理をしたり、OFFタイムの充実は短時間でも有効です。

普段からエゴレジ力のアップを心がけていれば、予防策は大丈夫。「幸せホルモン」が活性化する行動はエゴレジ力のアップに繋がります。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

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