《健康》エゴレジと笑いの効能

ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴科学が示す効果

みなさん、どんな時に笑っていますか?私たちは直観的に、笑うことはストレス解消のための最善の方法の一つだと知っています。そして、科学もそれを裏付けています。笑いは心身に多くのプラスの効果をもたらしてくれる「薬効」を持ち、しかもその効果は人から人へと広がっていく「伝染性」もあることも判明しています。

これまでの研究から、いつでも笑っていたいと思わせるような効果が科学的に確認されています(フォーブスジャパン;David DiSalvo)。

1. エンドルフィンによる「多幸感」
笑いに関する科学的研究はこれまでにいくつも行われていますが、2017年に公開された研究結果では、他の人たちと一緒に笑うことによって「多幸感をもたらす」脳内物質のエンドルフィンが放出され、脳内のオピオイド受容体の数が多い人ほど明らかな効果が見られることが示されました。ヘロインなどの中毒性の高いオピオイド系の薬物は脳のオピオイド受容体と結合します。このことから、笑いは麻薬と類似した(だが薬物の有害性は持たない)多幸感を誘発すると考えられているのです。

2. 社会的な絆を築く「伝染性」

笑いに伝染性がある理由を説明するのが、上記のエンドルフィンの効果です。集まった人たちに同時にエンドルフィンの放出が起きることで、一体感や安心感が高まります。一人ひとりの脳が感情の伝達装置の役割を果たし、笑いを介して他の人の脳にも多幸感がもたらされるのです。誰かが笑い始めると、理由も分からず他の人が笑い出すのはそのためでしょう。

3. 人間関係の構築を促進
ある研究によれば、女性は男性よりも126%多く笑っているそうです。つまり、男性の方が、女性よりも人を笑わせているようです。このことは、人間関係の構築や維持にも反映されている。女性には結婚や恋愛の対象となる男性に望むものの一つに「ユーモアのセンス」を挙げる人が多いようです。一方、男性は(例えば自分の冗談に)よく笑う女性を好む傾向があるようです。一緒に笑うことが多いカップルの方がより良い関係を維持できるとの研究結果もありますが、うなずける結果です。

 4. 心臓を守る
研究によれば、笑いには血管や心筋を心疾患のダメージから守ってくれる抗炎症作用があるそうです。抗炎症作用がどのようにもたらされるのか完全には解明されていませんが、炎症との直接的な関連が確認されているストレス反応が軽減することと関わりがあると見られています。

🔴免疫力UP!

”笑い”と免疫力の関係に詳しい「すばるクリニック」院長の伊丹仁朗先生によれば、

私たちが笑うと、免疫のコントロール機能をつかさどっている間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが活発に生産されます。“笑い”が発端となって作られた”善玉”の神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて体中に流れ出し、NK細胞の表面に付着し、NK細胞を活性化します。その結果、がん細胞やウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃するので、免疫力が高まるというわけです。

ある実験結果から、”笑い”にはこうした免疫システム全体のバランスを整える効果があることも明らかとなりました。

🔴笑える毎日のコツ

いくら体に良いからといっても、意識して笑うのはなかなか難しいもの。テレビのお笑い番組やコメディ映画を観るのも、限りがあります。“笑える毎日”のコツは、日ごろから自分でおもしろい話を考えて周囲の人に話し、一緒に楽しむことです。

そのためには常に”笑い”のネタ探しが必要なので、胸の内の不安や心配ごとより外の世界へと注意が向いてきます。やがて人を笑わせることに快感まで覚えるようになれば、前向きな気持ち、喜びがさらに健康にプラス効果をもたらすでしょう。

NK細胞の働きが弱い人や基準値の人は、作り笑顔を続けた後にNK細胞が活性化するという実験結果が出ています。”表情はいつも笑顔で”が、免疫力アップに効果的です。
いくら笑うことが良いとは言っても、笑ってばかりいることは女性にとって大敵であるシワが気になります。しかし、実は顔には表情筋が20種類以上あり、シワを気にして使わないでいると筋肉が衰えて、かえって肌のハリやツヤに悪影響を及ぼします。

アメリカ・ペンシルベニア州立大学の研究によると、「笑顔」は親切に見えるだけでなく能力がある人に見せる効果があるそうです。

また、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の心理学研究チームが約30年かけて卒業生141名(女性)のその後の人生を追跡したところ、卒業アルバムに笑顔で写っていた人たちは、そうでなかった人たちに比べて、結婚率が高く、人間関係や健康面などでも満足度が高い人生を送っていることが判明しました。

忙しい毎日、私たちはどれくらい笑っているでしょうか? 子供は1日に400回もの笑顔を見せると言います。しかし大人になるにしたがって笑顔が減っていくのは仕方のないことかもしれません。それでも「笑顔」の効能を知っているなら笑ってみましょう。

エゴレジ力のアップのためにも、面白アンテナをたてて「面白エピソード」「面白ネタ」を探し、笑ったり、笑わせたりしてみませんか?

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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