《健康》エゴレジと小さな習慣

ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴小さな目標、小さな習慣!

エゴレジ力をアップするコツは、14個のエゴ・レジリエンスの測定項目に自身が該当する程度を一つ上げることです。例えば、ある項目が”全くあてはまらない”であったなら、”あまりあてはまらない”に移行することで実現できます。

さて毎日続けて、習慣にしたいと思っている行動が身につくには、おおよそ21日かかる……という説を聞いたことはありますか。あるいは30日だとか、平均は66日だという説もあります。身につけたい習慣というものは、往々にして身につく前にやめてしまうことが多いのです。

長年、自己成長ストラテジーの調査と執筆を行っているスティーヴン・ガイズ氏は、小さな習慣のための「目標は大きいよりも小さい方がいい」し、しかも「失敗しようがないほど、小さくていい」と提唱されています。

「小さな習慣」とは、「毎日これだけはやると決めて必ず実行する、本当にちょっとしたポジティブな行動」のことです。

「脳には新しい変化を嫌い、同じ行動の繰り返しを好む」という傾向があります。私たちの毎日の行動のほとんどは

「習慣化」=「何も考えずにやっている」わけで、脳はそうした「習慣化された行動」が大好きなのです。

習慣化されていない行動をするときには、モチベーションや意志の力が必要となるのですが、モチベーションや意志の力というのは「何かをするとき」に大きな障害にもなります。何故ならモチベーションは感情に左右されるし、意志の力には決断などさまざまな要素が必要になり、それはとても不安定なものだからです。

それに対し「小さな行動」はモチベーションも意志の力も必要としないし、とても簡単な「目標」なので失敗することなく、「成功」体験を感じることができ、その「小さな行動による成功の繰り返し」が自己肯定感を生み、それが自信となり、繰り返し行うことで習慣となっていきます。習慣化された行動が大好きな脳はこうしてやっと「新しい変化」を受け入れます。

その「小ささ」は、筋トレであれば「1日腕立て伏せを1回」という「本当にそれだけでなんとかなるの!?」と疑うくらいの小さいものでいいのです。

🔴自己過信!

そもそも人は何かを習慣にしようとするとき、「腕立て伏せ30を3セット」とか、「毎日10キロのジョギング」等、目標を大きくしがちである。ある調査結果によると、人は常に自己の管理能力を過大評価する傾向にあり、大きな目標を立ててしまうのも、それを達成できると自分の能力を過信しているからだそうです。その結果、目標を達成できず、「やっぱり私はダメなんだ……」と自信を失い、達成できない自分への失望感や罪悪感に苛まれる。どんなに大層な目標を掲げても、行動が伴わなければ意味はないのです。でも、逆にどんなに小さなことでも何もしないよりはずっといいのだ、とスティーヴン・ガイズ氏は言っています。たとえば、習慣にしたいことが「ジムに行く」ということであれば、文字通りジムまで行って何もせずに帰ってくる、それだけでもいいのです。どんな小さな取るに足りないようなことでも、たやすく目標をクリアできて連続記録を途切れさせないでいたほうが、習慣化する可能性が高くなるのだそうです。

🔴脳の抵抗をやわらげる!

アメリカのある大学の研究によると、私たちの普段の行動の約45%は習慣で成り立っているそうです。そしてその「習慣」は、脳が省エネのため、何も考えずに行動を選択できるよう、行動に至るプロセスを自動化したものなのです。私たち人間の脳は、特定の習慣をつかさどる神経経路が何らかの合図や外からの刺激で活性化すると、その神経経路に沿って電気信号が走り、それが習慣化された行動へと私たちを駆り立てます。

たとえば、家に帰ってすぐに手洗い・うがいをするのが習慣になっていれば、玄関を入ると自動的に「手洗い・うがい」の神経が作動し、いちいち考える必要はありません。習慣として定着していくにつれ、その行動と結びついた神経経路はどんどん太く強くなっていきます。つまり、何度も同じ行動を繰り返すことで専用の神経経路をつくり、それを強化していくことができるのです。

ただ、同時に私たち人間の脳は、ゆっくりとした変化だけを受け入れることで安定を保つようにできているようです。また、納得できる見返りを与えられない限り、変化に抵抗しようとする。新しく良い習慣を身につけようとする行為は、これまでの習慣を続けさせようとする脳の抵抗との戦いでもあるのです。

だからこそ、抵抗の少ない「小さな習慣」であれば、軽い一押しで、最も難しい最初のアクションを起こすことができるし、脳のなかで「新しい行動」と「いつもの行動」がせめぎ合う間も、行動を継続させることができるのです。

小さすぎて失敗するはずがない行動を毎日繰り返す、これがキーポイントなのです。

習慣が長続きしないのは自分自身に問題があるからだと考える人も多いでしょうが、本当はそうではなく、やり方が間違っているだけ。でも小さな習慣なら、罪悪感に悩まされることも、大きすぎる目標に怖気づくこともないということ。そして新しい習慣を長続きさせるには、自分の脳を味方につけることが大切。脳の働きをうまく利用すれば、一生の習慣を簡単に身につけられるというのです。

エゴレジ力アップのために、これから身につけたいと思う習慣を試してみませんか?一度身についた習慣はすぐに消えてしまうことはありません。良い小さな習慣を身につけることができれば、それは長く継続することも可能になります。つまり、目標達成もぐんと近づくのです。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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