《健康》エゴレジとサポート

ストレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴ストレスを和らげる!

同じストレス状況下にあっても、元気な人もいれば、心の不調を訴える人もいます。なぜ、このような違いが生まれるのでしょう。それは、どんなストレス要因が心の病気を引き起こすのか、人によってそのプロセスが大きく異なることと関係しています。

このプロセスには、「個人要因」「仕事以外のストレス要因」「ストレスを和らげる要因」が関わっています。なかでも「ストレスを和らげる要因」は、ストレス反応を和らげるいわばクッションのような役割を果たしています。

ストレスから発症までのプロセス(職業性ストレスモデル)

 ストレスが病気などを招くまでに、これだけ多くの要因が関わっているということは、「ストレスがあっても、すぐに病気などになるわけではない」ということを示しています。言い換えれば、これらの要因をうまくコントロールすれば、ストレスは軽くできるということです。

🔴ソーシャルサポート

悩みやストレスは、過去や他人に関することが多いものです。けれど、過去はどうやっても変えることはできません。また、自分が望むように人を変えることもできません。ですから「これからと自分自身」に目を向け、変えやすいもの、変えられるものとして「ストレスを和らげる要因」を考えてみましょう。

悩みを聞いてくれたり、アドバイスをしてくれたり、気分転換に誘ってくれたりする人は周りにいますか?そのような、周りの人々からの有形無形の援助(サポート)をソーシャルサポートといい、こういった人々とのつながりをソーシャルサポート・ネットワークといいます。「ソーシャルサポート」には多くの研究者が注目しています。その理由は、「人間関係と健康は深い関係があるから」ということにほかなりません。他者からの支援は、悩み、苦痛、苛立ちなどを和らげたり、その発生を防いだり、ストレッサーの影響をストレス反応に結び付けない効果(緩衝効果)があることが多くの研究から明らかになってきました。

ソーシャルサポートは、4種類に分類できるとされています。

この図の提供者である産業カウンセラーの田中淳子さんは、「持ちつ持たれつ」「情けは人の為ならず」とか「Give and Take」という言葉は、「誰かのために何かをすること」と「誰かに何かをしてもらうこと」はバランスを取るものだ、といったことを教えてくれていると指摘されています。

🔴持ちつ持たれつ?

自分を取り巻く人間関係を思い出し、誰がどのサポートに当たるのかを考えてみるのは面白いものです。「Aさんは、道具的サポートを提供してくれるけれど、愚痴は聞いてくれないから情緒的サポートはないな」とか、「Bさんは情報的サポートでもあり、評価的サポートでもある」と考えてみます。すると、思っていた以上に自分が他者に助けられて暮らしていることが分かります。

では、自分が誰にどのサポートをしているかという視点で考えてみるとどうでしょう?「私は誰にどういう道具的サポートをしているだろう」「あの人は私から情緒的サポートを受けていると思っているだろうか」…こう考えていくと急に不安になってきます。「私はCさんに情報提供もしているし、褒めてもいるから、情報的・評価的サポートの両方を担っていると思うけど、Cさんはそう思ってくれているのだろうか?」と自信がなくなるのです。

🔴自分から始める!

私たちは、自分が他者に対してどんなことをしているかという点になると、分からなくなりがちです。どう思うかは相手次第というのが理由のひとつですが、自分が人からしてもらうことは強く意識するものの、他者に何かをすることには無頓着になりやすいからです。

「ソーシャルサポート・ネットワークを充実させるには、“Give and Take”を心掛けることです。誰かのサポートをすることが、誰かからサポートを得ることに繋がるので、“Give”から始めると良いですよ」と田中淳子さんはおっしゃっています。

人は多くの人に支えられて生きていますが、多くの人に支えてもらうために、自分も誰かを支えていく必要があるのです。

エゴレジ力のある人は、ソーシャル・ネットワークが充実しています。大切なのは人間関係の質です。支えられる本人にとって、どのようなつながりが本当に大切なのかを考える必要があります。そして忘れてはならないのは、支えられる人もまた誰かを支えているということです。それは金銭的、物理的のみならず、社会的、精神的に支えあっていることを意味します。このことを意識することだけでも、より精神的に豊かな生活を送ることができるのではないでしょうか。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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