第17回「保険の組み立て方講座~老後/その3~」

水原 曜(みずはら ひかる)

2014年 住友生命保険相互会社東京本社入社。
「人生最後の転職先に保険会社を選んでしまう」という大ポカを犯してしまうもどうにか乗り越え、2017年4月より指導職に。部下に踊らされる毎日。
個人、法人問わず、フローとストックのバランスを重視した中長期的「無理しない」リスク対策のコンサルティングが最も得意です。

第17回「保険の組み立て方講座~老後/その3~」

さて今回は相続についてお話します。基礎控除額とか配偶者特別控除とか小規模宅地の特例とかは外のサイトにお任せします(得意技)。実はつい最近まで私自身、水原家の相続でバタバタしておりまして、その経験から得た教訓を皆様にお伝えしたいと思います。

それは、「相続税の申告と納税の期限は超っ早」。国税庁は「相続があると知った日の翌日から10カ月以内だ、よーいドン!」と仰る。うちの場合ですと、義父が亡くなったのが昨年6月。葬儀が無事終わり初七日が明けたら直ぐに公的年金手続等諸手続きに取り掛かり、翌7月に四十九日法要。やれやれと思ったら入院中の義祖父が急逝。振出しに戻った感満載な8月は新盆と四十九日法要パート2(それぞれ別日に開催)。義祖父関係の手続きを「少し慣れてきたな、私…」と思いつつ終えた9月。喪中はがきの文面を3パターン作らねばならないことに気づき慌てて発注した10月。プリンターってこういう時なぜ壊れるんでしょうね、クタクタで滑り込んだ年末年始。「よく考えたら5月から8月まで法要やらお盆やらで毎月お寺さんに世話になるね」と義母とともに深い溜息をついた2月、ここで弁護士さんから「相続税の申告期限は4月ですが大丈夫ですか」とのLINEが飛び込んで来て前頭葉が機能停止。ほらね、超っ早でしょ?

そう、我が家はかなり特殊なケースです。しかし我が家で相続が進まなかったのは時間的な余裕がなかったからではなく、残された者が心身共に相続と向き合えなかったからです。特に義母には過負荷な状況が続き、少し複雑な内容の話を聞くとパニックに陥ってしまう時期がありました。なので実は昨年12月に一度手続きをやりかけたのですが、どうにも進められるような状態ではなかったので、弁護士さんと相談した結果一旦中止し、そうこうしているうちに2月まで延びた、というのが本当のところです。幸い、弁護士さんを含め色々な方からご協力と底力をいただき、奇跡的にも1ヶ月で相続を完了することが出来ました。今は義母も「どうなることかと思ってドキドキしちゃったけど、無事に済んでよかったわ」と笑顔で話します。テレビを見ている時に、何の脈絡もなく、ふとそう言うのです。彼女にとって相続はかなり大きな山であり、だからこそ乗り越えられた安堵感は、一入どころか百入も千入も大きいのでしょう。

平成27年から基礎控除額が下げられ相続税の対象となるご家庭が増えました。平成28年度東京国税局管内(東京都・千葉県・神奈川県・山梨県)で亡くなられた方のうち相続税の課税対象となった方は12.8%、凡そ8人に1人。対岸の火事は意外と近い。なので、残された者の心が立ち往生してしまっても、超っ早国税庁に超っ早返し出来るくらいの準備は、予めしておいてあげてほしいのです。遺言の作成から始まり、毎年110万円を孫にあげるのも、空き地にマンションを建てるのも、もちろん相続税対策ではあるのですが、その芯にあるのは、残された人が悲しみと向き合い、乗り越え前進する一連の流れにこそ、心の手間暇を掛けられるよう、お金についての余計な煩わしさは出来るだけ省いておいてあげるという、去りゆく者の最後の思いやりでもあるのです。だから相続は高齢者だけの問題ではありません。特に遺言は誰にでもできる身近な相続対策です。是非一度専門家に相談してみてください。心とお金の整理にもなりますよ。

 

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