エゴレジと「冬うつ」対策

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

エゴレジと「冬うつ」対策

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴天候と気分  

西高東低の冬型気圧配置。天気が晴れの時には気圧配置としては高気圧が張り出し、天気が悪いときには低気圧が来ています。気圧は、脳内のバロレセプター(圧受容器)を刺激します。
高気圧が脳内を刺激すると、自律神経のうち、交感神経を刺激し、身体全体が活性化します。
一方、低気圧が脳内を刺激すると、副交感神経が刺激され、身体の活動が緩慢になったりやる気が出なかったりします。それだけでなく細胞内に水分が取り込まれ、血液が少なくなります。そうすると低血圧ぎみになるので、頭痛やめまいがしたりする人もいるのです。
こうした反応は、古代の祖先が生き存え適応してきた過程の重要な働きなのです。つまり、高気圧が近づいているときには、天気がよくなり明るくなるため、活動的になって狩りに出かけ食料を確保したり、外的からの攻撃をかわすのには都合がいいわけです。しかし、低気圧が近づいているときには、天候が崩れて雨や雪などが降る確率が高いので、副交感神経が働いてジッとしていることが生命維持には大切なことだったのです。現代人の生活にもその名残があって、気圧が自律神経に影響するので、天候と気分は関連しているといえます。

🔴季節性「冬うつ」

気圧配置の影響で、雨や雪などが降る確率があがる冬。生体リズムの乱れが原因で発症するのが、季節性のプチうつ「冬うつ」です。
太陽の光は心のバランスを整え、心身の安定をさせてくれる幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促してくれます。セロトニンはストレスに強くさせてくれ、精神が安定し熟睡することが出来るため、生きていくうえで欠かせない物質です。セロトニンは光の強さに比例して分泌されます。冬は日照時間が短く、光を浴びる量が不足しがちで、生活パターンによってはセロトニンを十分に作れないことがあり、「冬うつ」を引き起こしやすくなる時期といえます。

冬になってから、夜眠っても疲れが取れにくい/集中力・注意力が低下している/ちょっとしたことですぐに落ち込む/笑うことが極端に少なくなる/周りに「いつもイライラしている」と言われる・・・などの症状は要注意です。

🔴エゴレジ力のアップにもなる5つの対策

天候に気分を左右されないためには「自律神経の働きを整える」ことです。エゴレジ力のアップにもなる5つの気分転換法がおすすめです!

◆日光を浴びる

→人の体には、約一日の周期でリズムを刻む体内時計が備わっています。睡眠と覚醒、体温や血圧の日内変動、自律神経の調節などをコントロールしています。朝、日光を浴びると体内時計がリセットされコルチゾールが分泌され、一日の活動のスイッチが入ります。それで、約14時間後にメラトニンが分泌され、睡眠を促すスイッチに切り替わります。朝起きたらカーテンを開けて5分ほど日光浴をしたり、軽く散歩してもいいでしょう。生活パターンが異なる場合は、明るい照明を30分ほど浴びる方法もあります。休憩時間やランチタイムに外へ出て日光を浴びることもいいですね。

◆感動する映画などを見て泣く

→涙は心をスッキリさせます。ときには泣くことも心の健康にとてもいいのです。涙は自律神経のなかでも交感神経と強く結びついており、感情によって交感神経が優位になると、涙腺が刺激され涙が流れるのです。涙が流れると、脳から分泌されるホルモンの「プロラクチン」や副腎皮質刺激ホルモンの「ACTH」、副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」といったストレス物質も涙と一緒に体外に流れ出ます。つまり、感情がたかぶって流れる涙には、ストレスの原因になる物質を排出する重要な役割があるのです。

◆いつもとはちがうことをする

→日常と違う場所にいくと、思考がリセットされます。ひとつの考えが止まらない、落ち込みが強い場合は、さっと旅に出てみましょう!遠くは無理でも、日帰りバス旅行でもかまいません。時間がない時は、通勤経路を変え、いつも通らない道を意識的に通ってみることも有効です。

◆普段食べないようなものを食べる/料理をする

→食のバランスを変えることで、心身ともに良い刺激が与えられます。食べたことのない料理や食べ物にトライするのもいいですね。


また、食事の多くをコンビニや外食で済ませ、料理をしない方が増えていますが、実は料理は、気分転換には抜群の効果を発揮します。料理には、五感をフル活用することができるというすごいパワーがあります。 まずは、献立を考え、買い物をするところから始まり、材料を洗って、切る(触感)、火で調理するときのジュ~という焼ける音(聴覚)や美味しそうな匂い(嗅覚)は食欲をそそります。味わって食べることで、さらに、視覚、嗅覚、味覚が刺激されます。見た目や彩を楽しみ、出来立ての香り、美味しいと感じることで幸福度が高めることができるのです。

◆お風呂の入り方を工夫する

→お風呂は、カラダだけでなく心の汚れもとってくれます。お風呂のあとの心のさっぱり感はなんとも言えないものです。ちょっと熱めのお風呂は、ストレスから身を守るためヒートショックプロティン(HSP)という特定のたんぱく質の生成スイッチになります。HSPは、細胞を保護・抑制する役割があります。ぬるめのお風呂は、 副交感神経が活発になり、血管が開いて血圧が低くなり、からだの緊張がとれてリラックスできます。

エゴレジの高い人は、低い人に比べて「抑うつ」傾向になりにくいという研究も実証されています。ご紹介した対策は気分の切り替え上手になるヒントで、エゴレジ力もアップします。できることから試してみてはどうでしょうか。

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次回は、別のテーマでエゴレジのお話をご紹介します。

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